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お客様の自己紹介をお願いいたします。
弊社は昭和23年創業以来、国内造船業の協力企業として大型船舶や艦艇など各種配管加工製品を手掛ける業界トップクラスの船舶用配管加工の専門メーカーです。
近年ではこれまで培った技術をベースに防災設備、環境保全、石油精製、ガス供給等各種プラント配管などの製作も行っております。
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システム化に際しどんな問題を抱えていたのですか?
造船各社様より管一品図と呼ばれる図面が手書きの紙図面やPDF等のデータで製作依頼が来るため、管製作の準備として部品や管長等を図面より手作業にて拾い出す必要があります。
また曲げ加工する管では、ベテラン技能者が図面から読み取った寸法から延び代を考慮した切断長を計算しており、これら技能継承も長年の課題でした。
この課題を解決するために、紙の図面にある寸法データを入力すると製作情報へ繋がるシステムの開発が出来る会社を探していました。
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JMSを最終的に選んだ理由を教えてください。
大手を含む複数のITベンダーへ開発を相談したが、相手のSEに管製作に関する知識がないためまず言葉(業界用語)が通じない。
こちらの意図を説明する打合せを何度も繰り返した結果、システム会社から提示された開発工数は膨大なものとなりました。
このため懇意であったITコンサルタントに依頼し探してもらったところ、造船会社のシステム子会社であるJMSを紹介され業界用語が通じるため意思疎通がし易く予算内で開発の目途がついた事です。
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結果的に、どんなシステムになったのですか?
新人のオペレータが紙図面の寸法データをインプットするだけで、今までベテランでないと難しかった管長計算や部材集計を自動化。
更に3Dの管製作図にして変換出力されるため、図面が読みやすく製作上のミスが低減されるようになりました。またデータベース化される事で、見積り工数の集計や必要部材の発注までデータ連携できるようになりました。
なお生産管理パッケージソフトの導入も検討しましたが購入費用やカスタマイズ範囲の検討が難しく、既存で利用していた帳票(EXCEL)そのままに当該データベース情報との連携を開発したもので十分に使えています。
(これもJMUシステムズへ開発依頼)
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今回の開発で心配した事、悪かった点を教えてください。
当初は、JMSの親会社が顧客先でもあったため多少のやりにくさを感じていました。
しかしながら、お互い同じ産業を支えるという立場でもあり親身になって対応して頂きました。
造船用の配管といっても、船で使われる配管は海水、燃料、油、飲料水用など多岐に渡り、全ての管種、管材をデータ化するのは大変です。
このため一部の特殊な管や、稀にしか製作しない管等はあえてデータ化しない等の対応をいたしました。
これらの見極めを行うために、かなりの図面のパターンを入力し80点に持って行くフィードバック作業がお互いに苦労した点かと思います。
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JMSで良かった点は何ですか?
造船の管製作に関するシステム化は一般で思われている以上に難しいので、このレベルのものは他のシステム会社では実現出来なかったでしょう。
また、製造の泥臭い部分を理解されており必要最低限の機能より一緒に作っていますので、使いやすく操作教育も含め順調に推移しています。
オーダーメードシステムですが余分な投資はせずに済んだと感じております。
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最後に全体を通しての感想等あれば教えてください。
まだ運用が開始したばかりですので、以前の手集計での業務と併用となっている部分もありますが、検証が終わり全面的に移行されると手集計していた見積り作業や発注作業は一気に効率化されるものと期待しています。